粋に羽織ってみませんか?先人の知恵を結集した本藍染・刺し子作務衣

野川染織工業が、代々受け継いできた「本藍染」と「刺し子織」の技術を駆使して作り上げる「 刺し子作務衣 」をご紹介します。デニムの1.5倍の耐久性を誇る、日本の染織技術の集大成ともいえる逸品です。素晴らしい日本の知恵と技術をもう一度見直し、くらしに取り入れてみてはいかがでしょうか。

100年続く染織の技術を守り、藍を身にまとう喜びを伝えたい

こだわり生産者_野川染織工業01

埼玉県羽生市にある野川染織は、昔ながらの「本藍染・先染め」を行う藍染の専門店です。「本藍染」とは、日本産の蓼藍(たであい)を発酵させた蒅(すくも)を使用した染色技術で、藍の成分を繊維にしっかりと染み込ませることができる伝統技法です。
また「先染め」とは、布ではなく糸から染め上げる技術。布を染める「後染め」より深く藍を浸透させることができます。
こうした染色技術は、現在主流の合成染料を使用した染織とは異なり、原料の入手が難しい上に桁違いの労力や技術を要します。しかしながら、野川染織ではこの技術を100年以上も大切に受け継いできました。
先人たちは、なぜこれほどまでに手間がかかる技術を後世に伝えてきたのでしょうか?
「それは万能薬である藍の効能を身にまとうためです」と野川代表は語ります。
古来より藍の葉や種には、抗酸化作用や解毒・殺菌作用などさまざまな薬効があり、「藍に包まれれば健康に過ごせる」と言い伝えられてきました。
日本古来から伝わる天然染料で染めあげた服を身にまとう喜びを伝え、人々の健康を祈る・・・野川染織は、そんな思いでこの伝統技術を守り、後世に繋いでいます。

発酵技術の賜物―「本藍染」とは

こだわり生産者_野川染織工業02

本藍染とは、藍にもともと住み着いている菌を発酵(天然発酵建て)させ、その染液を使って糸を染め上げる技術です。藍の効能を全て糸に取り入れる優れた技術ですが、現在ではこの本藍染を行う紺屋は大変希少な存在です。
染液の原料に使われるタデ科の「蓼藍(たであい)」は、ジャパンブルーとしてその美しさや効用が世界的に知られている品種です。
蓼藍は氾濫で運ばれる土砂の栄養分を吸収して育つため、かつては日本三大暴れ川と呼ばれた利根川、筑後川、吉野川流域で栽培が盛んでした。中でも吉野川流域で栽培されるものは、優れた品質を誇ります。
この藍をさらに3か月の工程をかけ発酵させ固形化したものが、蒅(すくも)です。乾燥状態で、藍の中の微生物を仮眠させたまま保存できる優れた染料ですが、現在では蒅を作れる藍師が4人まで減少、栽培農家の高齢化も相まって、深刻な後継者不足になっています。
野川染織工業では、この徳島県産蒅を仕入れ天然発酵建てを行います。
バットと呼ばれるプールに蒅を入れ、底にたまる重たい藍実を丹念にかき上げては発酵を促します。しかも、一度仕込めば完了というわけではなく、365日欠かさず撹拌しなければなりません。微生物が元気に息づく藍液を保つことは、本藍染の重要な工程です。

染めの技術

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糸染め前に行われる「白っぱたき」と呼ばれる作業も欠かすことはできません。
仕上がりが悪ければ染めムラができるなど、染め上がりに大きな影響が出てしまうからです。
白っぱたきとは、およそ800mの「綛(かせ)」と呼ばれる木綿糸の束を両腕にかけ、手の甲を使って一気に糸をほぐしていく作業です。糸を扱う基本を覚えるこの仕事は、根気と年季を要し一人前になるには3年ほどかかるのだそうです。
糸の不純物を取り除く「精練」を行ったのち、いよいよ染めの工程です。
濃淡10段階にも及ぶ藍甕に、糸をつけては空気に触れさせ、色を出します。染め・搾り・酸化という一連の作業を計30回以上繰り返し、染め上がりを一つ一つ確認して行きます。乾燥の後、再び綛糸をまき直し、ようやく機織工程へと進みます。

伝統的な刺し子織と卓越した縫製技術

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本藍染と並び、日本ではこの地でしか作れないといわれるのが刺し子織の技術です。
藍で染められた糸は1割ほど太く強くなります。野川染織では、この頑丈な糸をより強くするために刺し子織を施し、作務衣に仕立てます。布を補強するために編み出された刺し子織は、分厚く丈夫で、織り地の凹凸が空気を含み保温性に優れています。その耐久性から、昔は火消し装束に現代では剣道着に重宝されてきました。
丈夫な生地を織るために、野川染織で使われているのは、シャトル織機と呼ばれる旧式の機織り。現在主流となっている高速織機に比べその馬力は、乗用車とブルドーザーほども違うのだそう。この力強い織機から紡ぎ出される生地は、ヴィンテージともいえる上質な風合いを漂わせます。
野川染織では欠かせない織機ですが、生産性の低さや扱える職人の減少から、現在では稼働台数が減少している貴重な存在です。工場では、壊れた箇所があればすぐに補修できるよう、部品供給のための織機を余分に常備しながら大切に使っているのだそうです。
また刺し子織の生地を作務衣に仕立てるのも、野川染織でしか行えない優れた技術です。
首から肩にかけて体にぴったりとフィットし着崩れしないよう仕上げられた襟回りや、ゴムと二重廻しの紐を使用し、動きやすくずり落ちない工夫がされたズボンの腰回りなど、長年、剣道着を作ってきた縫製技術が、作務衣の至るところに施されています。

愛用者からは感動の声が

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作務衣という呼び名からどうしても作業着を連想しがちですが、「今はホームウェアとして男女問わず気軽に着心地を試してほしい」と野川代表はいいます。
特にご紹介する「 刺し子作務衣 」は、冬の家着としておすすめです。上着として羽織ってご近所へお散歩に出たり、素肌にまとう快適さから、お風呂上がりのバスローブ代わりに使う方もいるのだそう。
着こむほど体になじみ、着心地の良さや軽やかさを実感いただけ、時が経つほど色が冴えわたり、デニムのように育てていく楽しみが広がります。
「野川の藍は色合いも肌触りも他とは違う」と作務衣を愛用しているお客様からは、感動の声が届いたり、「一度着たら他は着られない」と何度もリピートする方が多いのだそう。
デニムの1.5倍の耐久性を誇る、日本の染と織の技術の集大成ともいえる逸品です。ぜひ素晴らしい日本の知恵と技術をもう一度見直して、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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今回ご紹介した企業

野川染織工業

大正3年に創業した野川染織工業は、現在では希少となった「本藍染・先染め」を行う藍染の専門店です。藍の効能を身にまとう喜びを伝え、素晴らしい日本の染織技術を後世に繋いでいくことを大切にした商品づくりは、多くのお客様から支持されています。ライフスタイルに合わせ気軽に藍染を取り入れられるよう、ファッション製品に限らず、小物、インテリアなども数多く取り扱っています。
現地に行ったら、工場直販店「ジャパンブルーテラス」に立ち寄るのもおすすめ。多くのお客様に愛される野川の藍染をぜひご利用ください!

今回ご紹介した商品

刺し子作務衣・藍染

こだわり生産者_野川染織工業06_刺し子作務衣・藍染

野川染織工業が、代々受け継いできた「本藍染」と「刺し子織」の技術を駆使して作り上げる「刺し子作務衣」をご紹介しました。デニムの1.5倍の耐久性を誇る、日本の染織技術の集大成ともいえる逸品です。素晴らしい日本の知恵と技術をもう一度見直し、くらしに取り入れてみてはいかがでしょうか。


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