耶馬溪すっぽん (大分県)

裏耶馬渓の静かな集落の伝統産業を守り続けたい。豊かな自然環境と温泉が育む、柔らかく臭みのない「耶馬渓すっぽん」

大分県を代表する景勝地・耶馬渓の静かな温泉地で養殖された「耶馬渓すっぽん」は知る人ぞ知る逸品。かけ流しの温泉の中で生育するため、身は柔らかくまったくといっていいほどクセと臭みがありません。料理人が調理しないでも、誰もが自宅で簡単に、水で炊くだけでも美味しく味わえる人気商品となっています。

一部の料亭や通の間で知られていた“知る人ぞ知る”すっぽんの名産地

一部の料亭や通の間で知られていた“知る人ぞ知る”すっぽんの名産地

日本新三景のひとつ、大分県を代表する景勝地として知られる「耶馬溪(やばけい)」。その裏手にあたる、「裏耶馬渓」と呼ばれる地帯に、人口約60人ほどの静かな集落があります。実はこの「裏耶馬渓」は、昭和50年代から続く伝統産業として、すっぽんの養殖がおこなわれてきた場所。すっぽんの産地といえば、静岡県の浜名湖などが有名ですがまさに、この裏耶馬渓は“知る人ぞ知る”名産地として、一部の料亭や通の間で知られていました。「料亭さんやホテルさんはもちろん卸してはいましたが、昭和の頃から個人のお客さんに直接、配送をしていたようです。どうやって広まったのかはわからないのですが、ネット通販やテレビ通販がなかった当時としては非常に珍しいですよね」というのは、耶馬渓すっぽんの江渕 真奈美さん。
「すっぽんは、ものすごく臆病な生き物。声がしなくても、人の気配を感じて逃げてしまい、私たちでも姿を見ることができないこともあります。なので、やっぱり静かな環境が必須。人が少なくて車も滅多に通らないこの地域はすっぽんにとっていい環境なのです」

また、この裏耶馬渓は温泉地としても知られていますが、それもすっぽんの養殖には最適な条件のひとつになっているといいます。
「この周辺の源泉の温度が30度台と低く、人間が入ると少しぬるいのですが、水温30度くらいで盛んに活動するすっぽんにとってはちょうどいい湯加減。源泉を掛け流すと一年を通して27~32度になります」

静かな環境と最適な湯温の源泉に育まれたすっぽんを、毎朝、江渕さんご夫婦ともうひとりのスタッフの3人でさばいて出荷。すべて手作業なのだといいます。「関節の部分でしっかり切らないと骨が砕けて食べづらくなってしまうので、機械に任せることはできません。1尾1尾、包丁でさばきます。梱包作業もあるので、朝から一生懸命やっても1日20匹程度しか作業はできないですね」

実は、この切り方へのこだわりが、愛好家拡大の鍵になっているのだとか。
「すっぽんは個体が小さく、牛や豚のようにスライスして綺麗な切り身になりません。当初からどうしてもこの部分が引っかかっていました。冷凍してパックで並べる際、できる限りきれいに並べて、美味しそうに見せたいという想いがありました」

見た目に対する抵抗感によって、これまですっぽんを食べることがなかった人にも食べてもらいたい。一度食べてもらえば、絶対この魅力がわかるという気持ちから、こうして毎日丁寧に仕上げているといいます。その思いが通じたのか、これまですっぽんを避けてきた、女性客の獲得に成功したのだといいます。

本当に身体にいいものを美味しく食べてもらいたい

本当に身体にいいものを美味しく食べてもらいたい

特にターゲットを絞るわけでなく、とにかく老若男女う、できる限り多くの方に裏耶馬渓のすっぽんを勧めたいという江渕さん。
「すっぽんは非常に栄養価が高いので、“身体にいいものを美味しく食べてもらいたい”という思いが根底にあります。世の中には、身体によいといわれているサプリメントが沢山ありますが、どうしても味気なく五感に乏しい感じがしています。それよりも、すっぽん鍋をご家族や、大切なお友だちでいっしょに楽しく美味しく食べながら、身体に必要な栄養分を摂っていただきたいと思います」
ニッポンセレクトが扱う「耶馬溪鍋用すっぽん切り身(冷凍) 」に、すっぽんの甲羅をひとつつけているのも、利用者に美と健康、そして美味しさを届けたいという思いがあるからという江渕さん。
「一匹にひとつしかないこの貴重な甲羅からコラーゲンと旨味たっぷりのお出汁がとれます。この得も言えぬ味わいのスープを残さずしっかり味わっていただきたいですね」

養殖の過程から、柔らかく、そして臭みなく育つように工夫

養殖の過程から、柔らかく、そして臭みなく育つように工夫

耶馬溪すっぽん最大の特徴は、身の柔らかさとまったくクセと臭みがないという点があげられます。料理人が調理しないでも、誰もが自宅で簡単に、水で炊くだけでも美味しく味わえるのだといいます。

「温泉で育て、短期間で出荷することで、クセがなく柔らかい身のすっぽんをお届けすることができます。また、温泉を掛け流し調理前はきれいな山水で飼育しているのもポイントです。水の管理は非常に難しく、水質が悪化するとすっぽんの肉質に悪影響を及ぼします」

同時に短期間で成長するすっぽんに負担を掛けないようエサの配合を工夫。短期間成長により、身が柔らくなるのだとか。さらにそれだけでなく、エサを豊富に食べる夏の活動期にはハウスから、外の池に移動。「すべて手作業で大変なのですが、外に出すと、すっぽんが直射日光で甲羅干しをします。すると自然の免疫力がついて、とても健康的に育ちやすくなります」
養殖の過程から、柔らかく、そして臭みなく育つように工夫を重ね、手間暇かけたからこそ、できる限り鮮度を保ったまま出荷したい。だからその日のうちにさばいて卸すことにこだわっているといいます。
「さばいて水気をとり、すぐに真空を掛けて冷凍しているので、お客様のお手元に届き、開封した時には変わらず、フレッシュな状態を保っています。リピーターも多く、レビューに『やっとおいしいところ見つけました』と書いていただいたときにはうれしいかったですね」

この地域唯一ともいえる産業を守っていきたい

この地域唯一ともいえる産業を守っていきたい

昭和50年代から、裏耶馬渓集落の地場産業としての歴史を重ねて耶馬渓すっぽん。当初は地域の有志が立ち上げた漁業協同組合が運営していたのですが、平成24年の水害の影響により、当時の養殖場が壊滅状態になってしまったのだといいます。
「2メートル近く地域が水没し、何万匹もいたすっぽんがすべて流れてしまいました。有志の方も高齢で、もはや再建は難しいという話になりかけました」
いったん、廃業の方向に話が進んだのですが、その組合の中にいた江渕さんのご主人が、自身の祖父がすっぽんの養殖を始めたこともあり“これが無くなるのは寂しい”と、ご夫婦で引き継ぐことを決めたのだといいます。
「私たちが引き継いのは平成24年なので、まだまだ年数は浅く、未熟な部分はありますが、夫婦で力を合わせて、様々な工夫を重ねながら、この地域唯一ともいえる産業を守っていきたいし、多くのお客様にこの耶馬渓すっぽんの魅力をお伝えしたいですね」

       

今回ご紹介した企業
耶馬溪すっぽん (大分県中津市)

大分県きっての景勝地・裏耶馬溪の地場産業として昭和50年代から続く、すっぽんの養殖場。元々、肉質の柔らかさや臭みがないという特徴を持っていたものの、平成24年に現在のオーナー夫婦が引き継いでからは、温泉利用などの伝統を守りながら、ハウス生育や甲羅干しといった手間暇を加えることで、さらに美味しく、栄養価の高いすっぽんが育つようになりました。冷凍して配送するすっぽんの切り身は、特別な調理不要。鍋で煮るだけで手軽に料亭の味が楽しめると大好評。リピート率の高い商品となっています。

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