株式会社ラグノオささき (青森県)

地域を愛し、素材の良さを熟知しているからこそできるお菓子づくり。その根底に貫かれる、変わらぬコンセプトとは

大きめにカットした青森県産りんごとスポンジ生地を、薄いパイでそのまま包んだお菓子。独自の製法で加工することで、りんごのシャキシャキの食感を損なわず、上品な甘みと酸味のバランスが際立ちます。食べやすいサイズでお土産にも大人気の一品です。第26回全国菓子大博覧会 金賞受賞(2013年)

街の小さなお菓子屋さんの、伝統と革新の道のり

りんごの生産量日本一の青森県の中でも、最大の生産量を誇る弘前市。商業や農業、工芸が盛んで自然の豊かなこの街に、今から140年ほど前に小さな駄菓子屋さんが誕生しました。青森県産りんごを使ったお菓子を中心に人気を集める株式会社ラグノオささきの前身、佐々木餅店です。
「1884年の創業当初は、近所の子どもたちが集まって餅つきをするような、楽しげな笑い声の聞こえるアットホームなお店でした。私たちの原点は、ここにあります」と話すのは、株式会社ラグノオささきの角田 晃さん。子どもたちに愛される駄菓子屋さんは、やがてフランスの戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」に登場する気のいい料理人ラグノオから「ラグノオささき」の名前に。子どもから大人まで幅広くたくさんの人にお菓子を届けるショップへと変わっていきましたが、その根底にある「すてきな笑顔と、すばらしい味を届けたい」という思いは変わらないのだといいます。
「昔ながらの味を守りながらも、新しい挑戦を積み重ねてきました。今では一般的になった“ショコラティエ”が東京にもまだ数店しかなかった頃に、八戸と弘前にショコラティエを作ったり、フランスにあるりんご菓子を研究して日本に持ち帰ったり。また日本になかなか根付かなかった半生菓子を、欧米で当たり前に愛されるカステラやカップケーキなどを手本に日本で打ち出したりと、時代の先端を走ってきたと自負しています」

地域への愛と、農家さんへの感謝の気持ち

地域への愛と、農家さんへの感謝の気持ち

今回ご紹介する「パティシエのりんごスティック」をはじめとした、青森県のりんごを生かしたお菓子づくりを始めたのは、青森の美味しさを届けて地元の人たちの役に立ちたいという思いがきっかけだと、角田さんは話します。
「青森の農家のみなさんには、美味しいりんごを作ってくれてありがとうという強い感謝の気持ちがあります。りんごの生産にも温暖化の影響が及んでいたり、農業の担い手が少なくなっていたりと逆風も吹いていますが、少しでも長く美味しいりんごを生産してもらえるように。温暖化に歯止めをかけるための物流改革など、私たちにできることをやっていきたいと思っています」
もちろん、美味しいお菓子を作って青森のりんごの魅力をたくさんの人に知ってもらうことも、そんな農家さんへの大きな後押しの一つになります。「青森の農家さんは、りんご作りに非常に強いこだわりを持ってたくさんの手間をかけているので、とても美味しいりんごができます。わずかに傷がついたり形が良くなかったりすると売り物にならなくなってしまいますが、その味の美味しさは変わりません。私たちがお菓子として加工しお客様のもとに届けることで、青森県のりんごの上品な味わいをしっかりと伝えていきたいですね」
地元への思いは、青森県だけにとどまりません。東北地方の地域活性も見据え、「パティシエのりんごスティック」を中心とした新しい商品づくりへのチャレンジも続けているのだとか。2021年4月からは、青森のりんごに加え、山形のさくらんぼをはじめとした東北6県の美味しいものを織り交ぜた商品の展開も始まりました。「岩手県や秋田県には関連会社もありますし、店舗も展開しているので、従業員や東北の方々とも美味しさを共有して、みんなが笑顔になってくれたらいいなと思います」

素材を熟知しているからこそ実現できる、自慢の味と食感

素材を熟知しているからこそ実現できる、自慢の味と食感

「パティシエのりんごスティック」が生まれたのは、東北最大級の雪まつり「十和田湖冬物語」で販売した、その場で焼き上げるスティックタイプのアップルパイへの、お客様の反応がきっかけだったといいます。その人気ぶりを受けて土産菓子にしたところ、後に年間1000万本を売り上げる人気商品に。2013年には第26回全国菓子大博覧会で金賞を受賞しました。
青森県産りんごを大きめにカットし、スポンジ生地と一緒にそのままパイで包んだこのお菓子は、優しい甘みとほどよい酸味のバランスが人気の秘密ですが、こだわりのポイントは味だけではありません。
りんごの加工に特別な製法を採用しているため、りんごの密度が高くシャキシャキ感が残るのだとか。またパイ生地はりんごの美味しさがしっかりと伝わる薄さに、一つひとつ熟練の技で伸ばしているほか、パイでりんごを包む工程では独自の機械を使用し、手で包んだかのようなふわっと・サクッとする食感を実現しているといいます。「りんごとパイの絶妙なバランスが自慢です。それぞれの素材のことを知り尽くしているからこそできる、こだわりですね」
また通常のアップルパイと異なり、切る手間をかけずにワンハンドで食べやすいことから、お土産としても大人気。「“会社で配ったところ、とても喜んでもらえた”というお声をいただくことが多く、出張帰りの手土産などとしてリピートしてくださるお客様が多くなっています。好評だったので他の人にも配ってみよう、とその輪を広げていただいているようです。ご家庭であらゆる年齢の方に美味しく召し上がっていただける商品なので、まずは青森に来た思い出のお菓子として、そしてぜひ普段のおやつとしても、楽しんでいただけたらと思います」
地域や農家さん、そしてお客様への愛とこだわりの詰まったりんごスティックを、会社のみなさんと、お友だちやご家族と、一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。

           

今回ご紹介した企業
株式会社ラグノオささき (青森県弘前市)

1844年創業。和洋のお菓子の製造・販売を手がける会社です。青森県産のりんごにこだわったお菓子を中心に、季節の果物やチョコレートを使った新商品開発にも強みを持ち、青森旅行や出張のお土産として愛されています。地域への思いが強く、りんごのお菓子や郷土菓子の販売で地域産業を後押しするほか、野球やサッカーをはじめとした地元のスポーツ発展も応援しています。

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