あぐりの里(鹿児島県)

特産の安納芋ときび糖だけでつくった「甘納豆」を橋渡しに種子島の魅力を伝えたい

鹿児島県種子島産の熟成安納芋ときび糖だけでつくった「甘納豆」です。農家でもある房子さんがひとつひとつ、ていねいに手づくりしています。干し芋に比べて、しっとりモチモチとしていて、コクの深い甘さが特長です。一口食べてみるだけで「あ、あとひくね」と評判の甘納豆です。リピーターの多い、無添加のおやつです。

種子島特産の安納芋を余すことなく使った新名物

東シナ海に浮かぶ種子島の中央部、地図で見ると細長い島の一番幅の狭いところに位置する中種町で、20年にわたり農産品の直売所を運営していたという大町田房子さん。

「この直売所を運営当初から支えてくれていた方々が年齢を重ねてしまって我々生産者から加工をお願いしても応えることが難しくなってしまいました。加工品を作る人が少なくなってしまったので、自分でやってみようと思い、製造業の許可をとりました」

当初は郷土菓子を作り、それを広めていこうと思っていたといいます。
同時に生産者でもある大町田さんは、安納芋の出荷の段階でどうしても発生する傷物や形の悪い余剰品を、有効活用できないものかと考えていたのだとか。

「余剰品の中で大きなサイズのものはチップスにしてみたのですが、小さいものや形の悪いものをどうするか?試行錯誤の末に生まれたのがこの甘納豆。結果的に安納芋を余すことなく使えるようになりました」

新しいものを作るのが好きな房子さんのアイデアから生まれた

一般的な甘納豆といえば“豆“を使用したものをイメージしがち。とはいえ、この安納芋を使うというのも、決して種子島で伝統的に伝わる食べ方ということでもなさそうです。

「工夫をして、新しいものを作るのが好きです。種子島では、安納芋を干し芋にして食べる習慣がありました。そこに、種子島特産のサトウキビからとれるきび糖を一緒に使えないだろうかと考え、きび糖で煮詰めて乾燥することに。形は違いますが“納豆にしようか”と軽い気持ちで“甘納豆”という商品名をつけました」

安納芋自体も十分に甘いのですが、きび糖で煮詰めることで日持ちもするようになるといいます。この“日持ち”もポイントだったといいます。
「農業生産者3名でネットワークをつくっていて、お歳暮やお中元時期に私たちが作った商品をセットで送るのですが、そこに入れようと考えていました。やはり島外に送る機会も多いため、一定期間、美味しさを保つ必要がありました」

商品名に自分の名前を入れたのも、大町田さんならではの思いがあります。
「やはり、島外に自分たちがつくったものをPRしたいという思いがありました。安納芋を作っている人は沢山いるので、名前が入っていないと誰がつくったかわからないではないですか。“農家の生産者が直接つくっていますよ”というのをアピールしたいと思ったのです」

いい意味でのギャップと、どこか懐かしいおいしさのバランス

種子島で生産されている2つの特産物、安納芋ときび糖だけで作られた、大変シンプルな商品ながら、リピーターがとても多いのだとか。人気の理由は、素朴で深い味わいはもちろん、“甘納豆”という絶妙なネーミングにもあるのではないかといいます。

「“甘納豆”の食感をイメージしながら、はじめて口にしたときに“あ、お芋だ”と。期待値を超えてくる、いい意味での裏切りと、昔から食べていた、どこか懐かしいおいしさのバランスに惹かれている方が多いようです」

きび糖を使うことによって安納芋自体が持つ甘さにコクがを増し“あとをひく“味に。すべて手作りで、一切無駄なものが入っていない点もポイントです。

また、残留農薬の検査をクリアして、かごしまの農林水産物認証制度(K-GAP)に認定されている安納芋を使用。安心安全な食品であることも、幅広い年齢層から支持を集める理由のひとつになっています。

「ふるさと納税の返礼品にもなっていますが、そちらも好評です。一口サイズで食べることができて、お年寄りからお子様まで、さらにすりつぶして乳児の離乳食としても食べてもらっています」

種子島と全国の人との繋がりを作る商品に

今回、ご紹介する甘納豆だけでなく、安納芋をつかったチップス、生姜を使った生姜糖、落花生に黒糖をまぶした“りんかけ”など、次から次へと新しい商品を開発し続けている大町田さん。

「たぶん色々なものを考えてつくることが好きなのだと思います。商品は試行錯誤して悩むというより、周りの人の意見を聞いたりしつつも、パッと発想して“意外とできるじゃん”と楽しんでつくれてしまうことも多いです。基本的には地元でとれるものを使いつつ、ありそうでないものをつくりますね」

多彩な商品を考案し、作ることができるのも、この地域に豊富な食材が揃っているからこそ。まさにここは“宝の山”だといいます。この種子島の魅力を多くの人に知ってもらいたいから、大町田さんはどんどん新しい商品を生み続けていくのでしょう。

「そういった意味で、ネット通販を活用すれば全国津々浦々の方々に商品をお届けできるので、種子島のいいもの、例えば100年の歴史があるお茶や基幹作物であるサトウキビからとれた黒糖を全国の人に知ってもらうことができます。他にも山に行けば、ニガダケというたけのこが採れて非常においしいのですが、地元の人しか知りません。種子島の南種子町は、「超早場米」の生産地でもあり、希少な赤米を作る生産者もいます。こういった食材を通し、もっと種子島の魅力を知ってほしいですね」

種子島と全国の人との繋がりを作りたいという大町田さん。房子さんの「あとひく甘納豆」がそのきっかけになることは間違いなさそうです。

今回ご紹介した企業
あぐりの里(鹿児島県熊毛郡中種子町)

20年ほど経営していた農産品直売所が、生産者の高齢化の影響によりクローズしたことをきっかけに、専業農家としてたばこや安納芋、フリージア球根などを栽培する大町田房子さんが、一念発起し、種子島の特産品を使った手作りの食品を販売する製造業者に生まれ変わりました。安納芋の甘納豆やピーナツ黒糖など、素朴で、どこか懐かしい食品を製造販売。房子さん手作りの郷土菓子が鹿児島県のふるさと納税に採用されるなど、地元でも注目を集める存在です。

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