株式会社ヌベール(岐阜県)

原材料と製法にこだわり、美味しさと健康を両立。グルテンフリーのバウムクーヘン

小麦粉ではなく米粉を中心とした材料で焼き上げたグルテンフリーの焼き菓子。しっとり・もっちり食感が特徴のバウムクーヘン、レモンがふんわり香る、やわらかな口当たりのマドレーヌ、濃厚なチョコレートの味わいに、くるみでアクセントをつけたブラウニー、そして焦がしバターの風味をきかせたフィナンシェの4種をお届けします。

16年前から米粉使用の洋菓子を手がけていた

今年で創業45年になる和洋菓子の製造会社・ヌベール。地域密着の卸を中心に展開していましたが、今から30年ほど前に事業拡大のためにブライダル業界へ進出。

「16年前にお祝いごとによく用いられていたバウムクーヘンをもっと美味しく作ろうという話になりました」とヌベールの高木純さん。

バウムクーヘンというと、当時から“少しパサついて固い”と感じる人が多かったため、そのイメージを打破しようと考えたのだそうです。「食べやすくて美味しいバウムクーヘンを実現しようと、従来の小麦粉に米粉を配合。その結果、しっとりもっちりとした食感に仕上がりました」

それまでになかった食感のバウムクーヘンが話題となり、ブライダルの引き菓子として米粉を使用したバウムクーヘンの人気が高まったのだとか。「今では、しっとりとした口当たりのバウムクーヘンが主流となりつつありますが、16年前から手がけていた会社はほとんどありませんでした。そういった意味で、当時の経営者には先見の明があったのでしょう」

独自の製法を約1年かけて開発

グルテンフリーの商品を開発した背景にも、時代の先を行く新たなチャレンジ姿勢が色濃く表れています。

「世の中にたくさんの個性的かつ美味しいバウムクーヘンが出回り、しっとりとしたバウムクーヘンが当たり前になる中、何か他社と違うものを作らなければ生き残れないと考え、6年前に開発しました」

そこで“健康的なお菓子”をつくろうと考え、“グルテンフリー”というキーワードに着目。

「海外でもちょうど、グルテンフリー商品が注目されてきたタイミングでした。元々米粉と小麦粉をブレンドするノウハウをもっていたので、米粉のバウムクーヘンを作ろうという話に行き着きました」

とはいえ、小麦粉をまったく使わないとなると、菓子としての美味しさや食感を維持するのが難しくなるのだとか。

「小麦粉はバウムクーヘンの弾力や柔らかさにとって重要な役割を果たしています。企業秘密ではありますが、ヌベール独自の製法を約1年かけて開発。従来のバウムクーヘンとマドレーヌの味も食感もそのままに、グルテンフリーで実現することに成功しました」

細やかなこだわりで美味しさと健康を両立

グルテンフリーでもしっとりしていて美味しいバウムクーヘン。独自の味わいを実現するためには、細部にわたる様々なこだわりが注ぎ込まれているといいます。

「まずは原料にこだわっています。卵も毎日、手で割っていて、卵白と卵黄を分けてメレンゲを泡立てることにより、ふんわりとした食感に仕上げています。これはほぼ全てのバウムクーヘンの製法になります」

機械にはあまり頼らず、人の手で生地を混ぜ合わせるのだといいます。
「数を作るのは大変ですが、街の洋菓子屋さんがこだわってつくっているというイメージです。最初から割ってある卵を仕入れることもできますが、手で割ったほうが新鮮さをキープできますし、こうしたちょっとした積み重ねがおいしさを引き出すと思います」

目指しているのは“え!?これグルテンフリーなの!?”と驚かれる商品。“グルテンフリー=味はイマイチ”ではなく、美味しさと健康が両立するものを追求していきたいといいます。

「私たちが、この商品を開発した6年前は、海外ではグルテンフリーの志向が高まっていましたが、日本ではまだまだ。展示会でも“なにそれ?”となる人が多かったですね。しかし最近は、大谷翔平がグルテンフリーの食生活をして体質改善をしているなど、ワード自体も認知されるようになり、やっと時代が追い付いてきたと感じています」

健康に意識を持つきっかけづくりに貢献

これまではメインの取引先がブライダル業界だったという高木さん。コロナ禍の中でネット通販にも注力するようになったといいます。

「やはりヌベールのブランド力をあげていきたいという狙いがあります。インターネットを通じて、私たちの商品の良さをもっと多くの方に知ってもらいたいと思っています」

特に、今回のグルテンフリー商品は現在、高級スーパーを中心に展開。さらに多くの健康意識の高い人たちに届けたいと言います。

「ギフトにも最適です。結婚式や内祝いはもちろん、引越祝いなどちょっとしたお祝い事に使っていただきたいと思います。健康意識の高い人には刺さると思いますし、贈る側のセンスも伝わる商品だと思います」

普通の焼き菓子ではなく、自分の考え方や生き方をアピールできる商品でもあります。「グルテンフリー」というワードをメッセージとして健康に意識を持つきっかけになるのではないでしょうか。そして何よりも、“身体に良い”だけでは終わらず、美味しいのがポイントですね。

「弊社では、米粉を使った製品などのOEMを請け負った実績があります。実は有名なホテルの商品を作っていたりしますので、皆さんが健康に意識を向けつつ、おいしくてカラダにいい食品が拡がっていく、そんな流れが作れたらと思っています」

今回ご紹介した企業
株式会社ヌベール(岐阜県揖斐郡大野町)

創業45年になる地域密着型の和洋菓子製造卸です。バウムクーヘンやマドレーヌ、フィナンシェ、ガトーショコラなどを中心に、すべての商品を自社工場で製造。メインの取引先はブライダル関連。主に引き菓子を取り扱っておりバウムクーヘンをギフト箱にいれて、全国のホテルや結婚式場に卸しています。その他、工場直売や地元の小売店に販売を拡げています。また近年、ネット通販にも力を入れるようになっています。

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