シェリール（兵庫県）
神戸に生まれ育った三姉妹が伝えたい、本当の“神戸らしさ”を詰め込んだクッキー缶
海と山に囲まれた神戸の街とネコをイメージしたクッキー詰め合わせ。創業以来、40年にわたり心を込めて焼き上げた型抜きクッキーを2種類の缶に詰め、神戸の街を散歩する可愛いネコが描かれたポストカードと併せて楽しむことができます。オリジナルのイラストが描かれた缶は、小物入れなどにも活用可能。ギフトにも喜ばれる一品です。
生まれ育った神戸の“環境の良さ”から生まれてきた商品づくり
デザイン会社の一部門として、1978年に立ち上がったブランド、神戸ANDAY“アンディ”。雑貨を扱うお店としてスタートし、やがてクッキー部門を立ち上げることになりましたが、そこには神戸の街で生まれ育った三姉妹ならではの“思い”があったのだといいます。
「生まれ育った神戸の街が持つ、特有の華やかさや可愛さ、おしゃれな雰囲気などを組み込んだお菓子づくりがしたいと考えました」というのは三姉妹の長女、兼松清子さん。
「こだわっていたのはオリジナリティ。見たものを真似するのではなく、自分たちでオリジナルなものを作るということを大事にしています」と説明します。
当時にしては珍しい、オリジナリティあふれる雑貨と食品の両方を提供するスタイルのお店を展開しようと考えていたのだとか。
「“トータルライフスタイルの提案”をモットーに、私たちが生まれ育った神戸の“環境の良さ”から生まれてきたものを紹介したい。2人の妹が当時、お菓子の学校に通っていたこともあって、神戸らしいクッキーを作ろうと考えたのです」
缶を開けてからも楽しい仕掛けが待っている
兼松さんたちが生まれ育った“神戸らしさ”とは、一体どういったものなのでしょう。
「神戸は、他の主要都市と違い意外とコンパクト。そのコンパクトな街の中には海も山もあります。それに加えて居留地などもあり、海外との関わりも大きいので、おしゃれな雰囲気が残っています。その自然豊かな部分と海外のおしゃれな雰囲気がミックスされて、神戸らしさが形作られています」
兼松さんたち三姉妹は、大好きなその神戸の雰囲気を、クッキー缶の中に込めようと考えますが、残念ながら持ち主のいない古い洋館が次々に取り壊されているという現状があります。
「そういった残念な部分もありますが、私たちなりにかわいいクッキー缶に、神戸の街の様子を描き、その美しい風景の記憶を次世代に残していきたいと考えています。そして、それを見た方が“神戸に行きたいな”と思ってくれたらいいなと思っています」
クッキーのモチーフは動物やお花など様々ありますが、中でもネコは定番中の定番。創業以来、ずっと提供し続けているといいます。
「可愛いネコが、神戸の小さな街をお散歩しているようなイメージにしたいと思いました。缶に描かれているのはポートタワーや異人館、風見鶏など神戸を代表するスポットとなっています」
缶の絵を見るだけでも旅の気分が味わえそうですが、缶を開けてからも楽しい仕掛けが待っています。
「缶の中から『 仔いぬ・仔ねこの神戸街歩き 』というショップカードが現れ、神戸を散策しているような気分になれます。旅行のお土産に買った人であれば、その旅行を思い出す楽しさと、これから旅行を考えている方には“ここに行ってみたいな”とわくわくできるような、楽しさやときめきを提供します」
缶もクッキーもすべてオリジナルにこだわり、飽きの来ない定番商品に
かわいらしいクッキー缶セットは、お土産としてはもちろん、転勤やご結婚などで神戸を出られた方々へのプレゼントとして活用されることも多いのだとか。
「ショップカードで神戸の街の雰囲気を感じていただいたり、クッキーを召し上がったあとも、大切なものや思い出のものを缶の中に入れていただけたら嬉しいですね」
缶もクッキーもすべてオリジナルにこだわっています。オリジナルの抜き型で生地を丁寧に手で抜いているため、一つひとつの表情が違います。焼き上がったときには、機械では出せない可愛らしさがあるといいます。
「ときどきネコのひげが欠けてしまうこともありますが、それもハンドメイドの良さ・楽しい部分と思うので、そのままをご提供することにしています」
もちろん、かわいらしい見た目だけでなく、クッキーのお味のほうもオリジナルなこだわりが注がれています。
「クッキーは基本的に、天然の『オリゴ』を含む甜菜糖とフレッシュなバターを使用。甜菜糖はさっぱりとした甘みでコクがあり、くどさがありません。可愛さを出すために少しは色を出すものを入れていますが、すべて天然色素のクチナシやビーツなどを使っています」
アイシングなどの派手さはありませんが、懐かしい味で男性にも好まれているのだとか。素朴でシンプルなので飽きがこない味といえます。
神戸らしいセンスが好きな方に伝えていきたい
元々の母体がデザイン会社なので、缶の絵を描く優れたイラストレーターがいます。三姉妹がやりたいことをどんどん具現化。かかわる人がすべて、伸び伸びと楽しんで作っています。
「今後、展開を予定している新シリーズは、お花やジャズの音楽を表現したもの。この神戸の、楽しくおしゃれな雰囲気をクッキー缶の中にぎゅっと詰めたいと考えています。実在の場所をクッキーにしていくので、それを見て旅行気分を味わっていただけたらと思っています」
人気の高い神戸の街であっても、やはりコロナの影響で観光客は激減。中華街や商店街のお店がどんどんなくなっていくといいます。
「だからこそインターネットを活用して、神戸の魅力を伝え、思い出してもらえるような商品を出し続けることは重要だと思います。神戸に憧れる方はとても多いので、ぜひまた神戸にもいらしてほしい。そして、私たちのお店に足を運んでもらいたいと思います。“あのお店に行きたい”と思ってもらえることはとても重要だと思いますし、私たちのクッキー缶セットが、そのきっかけになったらいいですね。神戸らしいもの、神戸らしいセンスが好きな方に伝えていきたいです」
今回ご紹介した企業
シェリール（兵庫県神戸市中央区）
神戸で生まれ育った三姉妹が、デザイン会社の一部門として1978年に創業。以来、“神戸らしい”ライフスタイル提案をコンセプトに、神戸元町商店街で営業を続けています。震災後、2006年に建て直した店舗の1階には、クッキーとクッキー雑貨を販売する「アンディ」を、2階にはクッキーとオリジナルインテリア雑貨を販売する「メゾン・マティエ」を併設。実店舗とオンラインショップを運営しています。
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