有限会社 永久堂(愛媛県)

“愛媛のまじめな洋菓子店”が試行錯誤の中で生み出した“青いレモンケーキ”の秘密

瀬戸内レモンを独自の技術で色止めし、シロップ漬けにした青いレモンのスライスをトッピング。甘さ控えめで、レモンの皮を練りこんだ生地はほのかな甘みと、時折感じられるレモンの苦みに絶妙なハーモニーを感じる、ちょっぴり大人の味わいのレモンケーキです。

定番商品レモンケーキからの新発想

創業昭和元年。愛媛県新居浜市で95年もの間、愛され続けている老舗・永久堂の看板商品といえば、年間25万個も販売されるレモンケーキです。

「今から45年ほど前に、菓子材料の問屋がレモンの形をした焼き型を全国の洋菓子店に販売。そこから火がついて、ほとんどの洋菓子屋がレモンケーキを作るほどのブームになりました。私たちも、そこからレモンケーキを販売することになりました」というのは永久堂の3代目社長である永易眞文さん。

その後、レモンケーキ人気は次第に下火になってきて、一時は生産をやめようかと思ったときもあったのだとか。ところが今から10年ほど前に、全国月刊誌がレモンケーキの特集を組むことに。

「そこで私たちのレモンケーキがグランプリに輝きました。そこから再び火がつきました。せっかく取り上げていただいたので、もうすこし味を改良しようと考えて、レシピを見直したら、今度は別の週刊誌に取り上げていただくことに。人気商品として定着しました」

レモンケーキがこれほど人気が高いので、何か色違いのものも作れないかと思い、考えついたのがこの「青いレモンケーキ」なのだといいます。

添加物を使わずに“青さ”を維持

青いレモンケーキを作ることを思いついた永易さんですが、単純に黄色くなる前の青い状態のままケーキにのせるだけでは決してうまくいかないことがわかります。

「レモンはみかんと同じ時季に白い花を咲かせて、夏の間に小さな緑のつぼみができます。そして秋に青いレモン玉ができて12月くらいに気温が下がり、果物屋さんでよく見る黄色いレモンになるのですね。そこで秋口に青い状態の瀬戸内のレモンを仕入れて2ミリにスライス。ところが冷蔵庫に2週間ほどいれると黄色くなってしまいます」

しかし、永易はそこで簡単に諦めるわけではありません。
「もちろん、青さを維持するために、化学薬品や添加物は使いたくありません。そこで愛媛県の農業試験場に駆け込んで、なんとか青いまま維持できないかと相談。協力いただきながら試行錯誤を繰り返します」

すると銅の釜につけこんで、銅の成分を吸収させると黄色くならないことが判明。レモンの緑をいつまでも維持できることがわかりました。「銅の鍋に一晩漬けこむので、味の変化もなく、安心して食べることができます」

「永久堂のレモンケーキ」と指名買いしてくれる、ファンの存在

青いレモンケーキの開発には3~4年ほどの期間を要したのだとか。「今でこそ、全国各地で青いレモンケーキを販売していますが、青い色を維持することが難しいため短い期間でしか販売できません。年間通して青いレモンケーキを販売できているのはウチだけだと思います」

青いレモンが乗っている見かけのインパクトだけでなく、もちろん味にも定評があり、黄色いスタンダードなレモンケーキに負けず劣らず、多くのリピーターに支えられています。

「青いレモンはそのまま食べるとすっぱいのですが、シロップにつけて2日くらい置いておくと酸っぱさが抜けて、さっぱりした酸味に仕上がります。若い方はもちろんですが、喉にすっと通るような味わいなので、ご高齢の方にも食べやすい商品だと思います」

愛媛県産の厳選した、「媛っ娘みかん卵」と「みかんはちみつ」を使った生地は優しくてしっとり。スライスする際に出るレモンの切れ端を活用して生地に練り込み、その上にホワイトチョコを掛けて、固まる前に青いレモンのスライスをのせています。

「広島県はレモンケーキファンが多く、販売しているお店が多いのですが、愛媛はありがたいことにウチのレモンケーキのファンが多く、「永久堂のレモンケーキ」を食べたいとご指名いただくことが多いですね。非常にありがたい話です」

愛媛の観光地や空港土産として広がって欲しい

「コロナ禍で県内の土産物屋や百貨店販売の売上は8割ほど落ちてしまいましたが、販売力に関してはネットのほうが安定している」という永易社長。

「全国展開する紅茶専門店でレモンケーキを扱ってもらっていますが、インターネット通販を中心にかなりの数量を販売していただきました。おかげさまで永久堂のブランドを拡げていただいています」

この事例のように、ネット通販で永久堂の味とブランドを拡大していけば、さらに色々なお客様にレモンケーキを知っていただけるのではないかと永易さんはいいます。

「もっとたくさんの方に、贈答品として活用していただいたらと思っています。レモンなので紅茶にあいますし、会合などに出していただいたら、珍しい青いレモンケーキによって話のネタにもなりますので、ぜひそういったシーンで食べてほしいですね。また愛媛の観光地や空港には弊社の商品を置いているので、コロナ禍が落ち着き、GoToトラベルなども再開したら、また観光客の皆様にも沢山きていただいて食べてほしいですね」

今回ご紹介した企業
有限会社 永久堂 (愛媛県新居浜市垣生)

和菓子、洋菓子、焼き菓子などお菓子全般を製造販売している会社で、現在は70ほどのアイテム数を誇ります。昭和元年創業、現在私が74歳の社長で3代目になります。お客様に対して誠実でありたい、値段や、味の部分に納得して買ってもらいたいという思いから、“愛媛のまじめな洋菓子店”というキャッチフレーズを掲げています。35年も焼き続けているバームクーヘンは高島屋で開催する母の日のギフト部門で毎年ベスト3に入るという人気ぶりです。

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