株式会社 石神邑 (和歌山県)

土づくりからお手元までをモットーに。日本人の文化に根付いた、地域に伝わる独自製法の梅酒

和歌山県で江戸時代から栽培されてきた梅を使用した「梅酒 HAMADA」。こだわりの減農薬で栽培した梅の熟度や味がそのまま出るよう、あえてシンプルな製法を採用しています。梅栽培が盛んな石神地域で代々続く梅農家こだわりの味を、梅酒を通して味わえる贅沢な一品です。

石神地域が育てた、安心安全な自社栽培の梅

和歌山県の中南部に位置する田辺市にある石神地域。そこで、先祖代々続く梅農家の後継者として「土づくりからお手元まで」をモットーにモノづくりに取り組んでいるのが、株式会社濱田の濱田朝康専務です。自社農園で栽培した梅を活かした、梅干しや梅酒の製造に取り組んでいます。

「石神という地域は標高が400mくらいあります。海までの直線距離はおよそ16km。海の潮風を山が受けて、そのミネラルを梅の木に落としているから梅作りに適していると昔から言われています」

自社農園の梅は、和歌山県で認証されている「特別栽培」という栽培方法を採用しています。いわゆる減農薬栽培で、化学肥料は一切使っていません。出来るだけ自然な形で作ることがお客様の安心安全に繋がる、という想いで栽培しています。

「梅にも等級、階級があります。通常、皮が薄いA級品は弊社で梅干として加工しますが、少しでも傷がついてしまうとA級品として梅干しには使えません。けれど、熟度や味などの品質はなんら変わりません。傷がついた梅でも美味しく活かせる梅酒に使うことで、キズモノとして価値が下がるものを、できるだけ価値が下がらないようにしています」

梅の収穫は、毎年6月上旬から7月上旬まで。1年に1回の収穫時期が来ると、朝に収穫したものをその日の内に仕込みまで終わらせるそう。何故なら、そうして加工された鮮度が抜群の梅は、香りが格別のものになり、色も濃くなるからだといいます。

梅農家の伝統製法で勝負する、梅屋の梅酒

「僕らは梅屋なので。梅の熟度や味がそのまま出るように、シンプルにホワイトリカーで仕込みます」

酒蔵が造る梅酒、ウイスキーやブランデーで漬けられる梅酒など、梅酒には様々な商品がありますが、「梅酒 HAMADA」がこだわり抜いているのは梅の味を活かすことです。一般的に家庭では氷砂糖を使いますが、「梅酒 HAMADA」は和三盆という和菓子に使われることが多い上質な砂糖を使って仕上げています。そうすることでキレが良くなるそう。風味にはこだわりつつ、あえてシンプルな製造方法を採用しています。

「6月に梅を漬けて、半年後には一度梅を引きあげるんです。それ以上漬けてもえぐ味が出るので。そこからタンクで3~5年熟成させます」

梅を長く漬けすぎないのは石神地域の梅農家の伝統です。「梅酒 HAMADA」はその製法をベースにしつつ、梅を漬ける期間や引きあげるタイミングを独自に設定。どれだけ長く漬けると梅が渋くなるのか、何度も試して梅を引き上げる最適なタイミングを探ったそうです。

「会話が生まれる商品作り」を目指して

「最近、”お酒離れ”というのをよく聞きますよ。でも僕が個人的に思うのは、世界中どこでも、お酒の席には必ず笑顔があるということです」

濱田専務は、モノづくりの中に様々な想いを込めています。その一つが、梅酒を通してお酒の席に笑顔や会話が生まれるような商品を作りたいということ。

「人間は社会性で成り立っていて、社会性はコミュニティで成り立っている。そしてコミュニティはコミュニケーションから生まれる。お酒を飲むことは、そのコミュニケーションを潤滑にするということですから」

また、「梅酒 HAMADA」を生んだモノづくりの背景には濱田専務の故郷、和歌山県への想いも強く関わっているといいます。

「和歌山は47都道府県の中でも下から数えた方が早いくらい最低賃金が低い。その中で江戸時代から作ってきた梅は、町の大切な基幹産業なんです」

梅という果樹は、そのままでは食べられません。けれど、砂糖漬け、塩漬け、そして梅酒など、様々な手間をかけて加工されてきました。手間をかけて良いものを作る姿勢は、とても日本人らしいことだと濱田専務は言います。

「梅はすごく日本人らしい果樹だと思っています。日の丸弁当、着物や器などによく描かれる梅の花など、無意識のうちに身近にあるんですよね。その背景を知って、梅を通して和歌山に興味を持ってもらえたら嬉しいです」

そうした想いの中で生まれた「梅酒 HAMADA」は、紀州産の梅のみを使用。しかも、本来なら高級梅干しにも使われるA級品の梅を漬けて製造する贅沢な仕立てです。「土づくりからきちんと梅を作り、その味をそのまま梅酒に反映させる」。それが濱田専務の目指すモノづくりだといいます。

梅という食文化を世界に広げるために

実は、梅酒は日本で生まれたのをご存じでしょうか?
「梅は中国にも生えていて、お菓子みたいな砂糖漬けはあるんですが、梅酒は日本が発祥です。今では韓国や中国でも作っていますが、やっぱり梅酒は日本を代表するリキュールになると思っています」

濱田専務は、海外にも梅酒を広めたいと考えているといいます。最近、特に力を入れているのが、インターネットによる情報発信を通じて、お客様と直接繋がること。

「まずは、口にしてもらう機会を増やしたい。インターネットを通じて、梅を口にしたことのない方を含めた世界中のお客様と直接繋がっていきたいと思っています」

和歌山から世界へ、梅という食文化を発信するために日々努力を重ねています。
「梅にはクエン酸など、独自の栄養素があります。そう言った意味でも、梅酒は身も心も幸せになるお酒だと思っています。皆さんがお酒を飲む場面で、一杯だけでも梅酒を選んで貰えたら嬉しいです」

今回ご紹介した企業
株式会社 石神邑 (和歌山県田辺市)

紀州梅の通信販売専門店として平成4年に設立。大正2年に濱田専務の祖父、濱田武次郎氏が塩漬けにした梅を木樽に詰め、築地市場へ販売を開始しました。「土づくりからお手元まで」をモットーに、自社農園で栽培した梅を中心に使用し「高品質」「安心」「安全」な商品を届けています。

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