マルヤ水産 株式会社 (宮城県)

缶詰“ならでは”の美味しさと便利さを、幅広い世代に届けたい。南三陸の厳選食材を詰め込んだ「東北の缶詰 2種6缶詰め合わせ」

ふっくらとしたお刺身用の南三陸産銀鮭を骨まで使った醤油煮と、南三陸の牡蠣のしぐれ煮、2種の缶詰をセットにしてお届けします。食材が美味しく・長持ちするように手間ひまかけてじっくり煮込んだ、缶詰“ならでは”の味わいを、大切な方へのギフトや毎日のお食事、パーティなどさまざまなシーンでお楽しみください。

港町・閖上で新鮮な魚介類を扱う“缶詰づくり”の老舗

宮城県名取市、名取川の南岸に位置し、漁港を有する港町「閖上(ゆりあげ)」。近海で獲れた新鮮な魚介類が大量に水揚げされることから、江戸時代は仙台へ、その後船の動力化が進んでからは福島県や関東にまで、魚介類を売り栄えた地域です。
そんな漁業の町で創業し、地元で水揚げされるさまざまな魚やカニの取り扱いを端緒に、販売や水産加工品の製造を手がけてきた企業があります。1950年創業の老舗、マルヤ水産株式会社です。

「創業当初は魚を担いで売り歩いていましたが、ある時、閖上の港に山ほど水揚げされるカニを使った加工品を開発。東京・築地市場を通じ料亭等に出荷するようになったことが、水産加工品の、そしてカニ製品のメーカーとしての原点です」と話すのは、マルヤ水産の千葉さんです。
カニの甲羅盛りなどの一品からスタートし、その後メーカーとして手がける加工品のレベルを高めていこうと、より高度な技術が求められる「缶詰」づくりにも挑戦するようになったのだといいます。

震災を経て生まれた“地元との結びつきをこれまで以上に強くしたい”という思い

高品質の缶詰を生み出す技術力で、多くのお客さまや飲食店から選ばれたマルヤ水産ですが、2011年3月11日 東日本大震災の津波により被災。本社とメイン工場は壊滅の状態になってしまったのだそうです。
「失った本社工場は、長年にわたりカニ缶詰をつくり続けてきた拠点です。補助金をいただいて新たな設備を導入し、亘理町の第2工場で缶詰製造を再開できたのは、2012年8月のことでした」千葉さんはそう話します。

今回ご紹介する「CANNED」シリーズの缶詰は、この震災を経て立ち上げられた、地元の厳選した食材を製品化するプロジェクトから生まれたのだとか。
「震災を機に、“地元との結びつきをこれまで以上に強くしたい” という思いが生まれたことが、CANNEDの出発点です。新商品としてすぐにチャレンジできるものをと、当時展開していた懐石料理店の料理人と相談して。検討を進める中、とあるご縁で出会ったのが宮城県産の銀鮭でした」

国内で流通する銀鮭のほとんどは養殖で、その養殖銀鮭のうち90%以上は宮城県内で養殖されているもの。そんな宮城ならではの素材で、新たなスタートを切ることになりました。
「“この銀鮭を美味しくするには、どうしたらよいだろうか” と料理人に素材を渡し、持ってきてくれたのが煮付けだったのです。そこから、シンプルなだけに非常に難しい製品開発がスタートしました」

難易度の高い「柔らかい刺身用銀鮭の缶詰」を可能にした缶詰技術

まずは味わいづくりから。化学調味料を使わず、地元の調味料を活かすことをテーマに、試作を繰り返します。
「地元の醤油をいくつも試して最もマッチするものを吟味し、石巻の山形屋商店さまの醤油を選び出しました。また、しつこくなくさっぱりとした味に仕上げるために、生姜を加えるなど細かな点にもこだわっています。やはり料理人の技術と味覚がベースにあることは、CANNEDの強みだと思いますね」

納得の味に仕上がった醤油煮を、今度は缶詰に。しかし新商品に使いたいのは、脂がのってふっくらとした刺身用の銀鮭です。この柔らかい素材を使って加工品、中でも缶詰をつくることには、大きな技術的難しさがありました。
缶詰をつくる際、中を真空にして加圧・加熱殺菌を行う過程で、脂ののった柔らかい銀鮭では身が溶けてしまう可能性が高いのだとか。反対に溶けないようにすると、今度は中骨が固くて食べられない状態になりかねないのだといいます。

「製缶を依頼した業者さんにも、刺身用銀鮭の缶詰は無理ではないかと言われましたね。ですが、試作品に感じた “これはいける” という思いを胸に、試行錯誤を続けて。なんとか、骨まで火を通しつつ身のふっくら感は残す、そんな頃合いを見つけることができました」
この缶詰を実現できたのは、マルヤ水産だからこそでしょう。美しい色と身の状態を保って加工するのが難しいカニ缶詰を扱う中で培われた、加圧・加熱の温度と時間をコントロールする缶詰技術が鍵になったのです。

完成した缶詰を宮城県水産加工品品評会に出品すると、水産庁長官賞を受賞。さらに、全国でも最高賞である農林水産大臣賞を受賞するに至りました。
「この商品をつくり出せたことは、私たちにとって本当に大きな一歩でした。その分、賞という評価はとてもありがたかったですね。“頑張れ” と、そして “地元の味を大切につくっていきなさい” と言っていただけたような気がしました」

缶詰ならではの便利さと真空調理による美味しさを、幅広い世代に届けたい

南三陸産銀鮭の醤油煮に南三陸産牡蠣のしぐれ煮、と地元の素材にこだわる「CANNED」シリーズを通して、缶詰 “ならでは” の魅力を実感してほしいと、千葉さんは話します。

「缶詰という商品は、私たちが非常に大切にしてきたものです。常温で長期保管ができるので、防災の機能を持った食品であると言えますし、もちろん日常生活でも食べたい時に開けてすぐに食べられます。そういった缶詰ならではの便利さを、まずは知ってほしいですね」

またその魅力は便利さのみにとどまりません。
「真空の状態で100度以上の熱をかけて仕上げるということは、圧力鍋で煮ているのに近い状態になる、ということ。加工後すぐは素材の脂が調味料を弾くとともに、素材から水分が抜ける過程がありますが……その後真空状態で保存されることで、一度吐き出された水分が周りの調味料とともにグッと身の中に染み込んでいくのです。そうして仕上がった味わいには、缶詰にしかない美味しさがあります」

そんな缶詰の魅力は、これまでマルヤ水産のギフト缶詰をご愛顧してくださってきた中高年層のお客さまに加え、あまり缶詰に馴染みのない2,30代の皆さんにも届けたいのだといいます。

「この缶詰は、ホームパーティなどに手土産として持っていって食卓に並べたり、コロナ禍で会えていない遠方のご家族や大切な方にギフトとして贈ったり……そんなさまざまな方法でお楽しみいただけるよう、デザインにもこだわっています。2,30代の方々にとって缶詰は縁遠い存在かもしれませんが、まずは手にとってみていただけたら嬉しいですね」と話す、千葉さん。
「またCANNEDの缶詰は、“ご飯のおかず” としても美味しいことを目指し、食べやすいさっぱりとした味わいやサイズにしているので。お酒のおともだけでなく、朝食にも食べられる缶詰として、皆さんに楽しんでもらえるシーンが広がっていけばよいなと思います」

今回ご紹介した企業
マルヤ水産 株式会社 (宮城県亘理郡亘理町)

宮城県名取市の港町・閖上にて1950年に創業し、近海で獲れた新鮮な魚介類を用いた水産加工品の製造を手がけてきました。東日本大震災の津波によって本社とメイン工場が壊滅の状態になってしまいましたが、亘理町の第2工場を拠点として2012年 8月より再出発。現在は、長年にわたるカニ缶詰加工の中で培ってきた缶詰技術を活かし、地域の厳選食材を用いた缶詰「CANNED」シリーズを展開しています。

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