株式会社 関製菓本舗 (京都府)

手焼きにこだわった老舗菓子店の人気京煎餅。巻いた煎餅に甘いクリームをたっぷりと詰め込み、花束のような目を引く可愛さの『ぶぅけ』

職人の手作業で焼いた昔ながらの京せんべいを円すい型に巻き、藤兵衛庵オリジナルの柔らかくて甘いクリームを詰めました。見た目にも綺麗なドライフルーツトッピングが色合いを際立たせます。写真に撮っても映える花束のような可愛らしさと、サクッとした食感と口解けが幅広い年代に人気の京せんべい「ぶぅけ」です。

時代とお客様のニーズに合わせた商品作り

大正11年に創業して2022年で100年の節目となる藤兵衛庵。京せんべいを取り扱うこちらで目玉商品となっているのが「ぶぅけ」です。
煎餅というと、関東でいうところの草加せんべいをイメージするかもしれませんが、京せんべいは、小麦粉・卵・砂糖を使ったものです。関西、京都では草加せんべいのような米菓は、あられ・おかき、などと言い、同じ「せんべい」と言っても違いがあります。

京せんべいである「ぶぅけ」は、SNS向きの映える写真を撮ることができ、可愛らしく華やかな見た目から新商品と思われがちですが、実は60年ほど前からある商品の一つです。

藤兵衛庵では、手焼きでおせんべいを【巻く】のが得意で、昔から『ぶぅけ』のような商品はありました。機械化せずに全て手作業で作っているため、手間がかかることや、お客様のクリーム離れなどがあって、一旦販売をやめていた商品でした」と語るのは取締役の関雄介さん。

その後、お客様の復活を熱望する言葉も多く、今から7~8年前に復活を遂げると、SNS普及の波に乗り、世間では「インスタ映え」という追い風を受け、その可愛らしい見た目から一気に人気商品となりました。

「SNSでの反響はとても大きかったです。当時は巻いたせんべいにクリームを詰めるだけでしたが、ドライフルーツのトッピングを加えるなど、色々と試行錯誤しました。昔あった商品の復活というよりは、みんなで新商品を作り上げる気持ちで取り組みました」

昔ながらの伝統も残しつつ、今の時代に合わせアレンジを加えて出来上がったのがこの「ぶぅけ」なのだと言います。

若者からご年配、そして日本から海外へ

「おせんべいというと、ご年配の方のお茶請けのイメージかもしれませんが、若い世代にも広く知っていただきたいですね。昔からの商品は、お客様からも、素朴な味わいと言っていただいていて、それは今も残していますし、残していきたい。伝統はもちろん大事ですが、時代に合わせたお菓子作り、次に何ができるかを常に考えています。京都にあるお菓子のお店で創業100年というと、お店としてはまだまだ若い。まずは日本で、私たちが作っている京せんべい、瓦せんべいというものをもっと知っていただいて、食べていただきたいです」
現在は海外への輸出も少しずつ増えており、少しずつ海外にも目を向けていく予定だそう。
「日本中で知ってもらうのはもちろん、最終的な目標としては、海外の方にも広く知ってもらいたい。海外では、『抹茶』は『MATCHA』で通じますし、『着物』や『寿司』も、日本語がそのままの言葉でトレンドになっています。いつか『せんべい』と海外で言ったら、そのままイメージしてもらえるというところまで持っていきたいと思います」

伝統の焼き技術と原料にこだわった“味”

世間では様々な面で機械化が進む中、手作業へのこだわりを持っている藤兵衛庵。「ぶぅけ」のようにおせんべいを【巻く】というのはとても難しいと言います。
「機械化して大量生産できればいいのかもしれません。ですが、『ぶぅけ』の生地は鉄板を開けてから10秒以内、一瞬のうちに作業しなければならないほど薄く柔らかく、機械では作れない繊細なものなのです」

そして、京せんべいは、小麦粉・卵・砂糖が主な原料ですが、ここにも藤兵衛庵のこだわりがあります。
「原料の小麦粉・卵・砂糖に、少し蜂蜜を入れるなど、昔から藤兵衛庵オリジナルの配合になっています。使っている小麦粉にも色々とランクがあり、一等粉と言われるランクの小麦粉を使っています」

普通の小麦粉は食べた後の粉っぽさが口の中に残りますが、品質の良い小麦粉は食べた後の粉っぽさがなく、サクッとした食感が強く、その後の口どけも良くなるといいます。

中に詰めるクリームも自社で配合したオリジナルのもの。

「とても柔らかいクリームです。ショートニングという油脂分に、粉糖や粉乳、バニラのエッセンス、レモンエッセンスなどを加えて味をつけています」

こうして、従業員全員で試行錯誤し、今の時代にあった可愛らしく映える「ぶぅけ」が出来上がりました。
現在は、「いちご」「チョコ」「抹茶」「フルーツ」の5種類の「ぶぅけ」が販売されています。

このような“こだわり”が、ファンを増やしている要因なのでしょう。

お菓子を通して届けたい想い

「お菓子を食べている時に怒っている人はいません。見た目にもきれいで楽しく、食べて美味しいというのはもちろん、お菓子を食べていたらお客様が笑顔になります。そんな笑顔のもとになるような商品作りをしたいです」

お客様に笑顔を届けたいという想いは、創業者の先代・関藤一さんから脈々と受け継がれ、新しいチャレンジや試行錯誤が「ぶぅけ」や「クリームコロン」の元となった「鞍馬杉」「玉格子」「うちわせんべい」など、数々の定番商品を生み出してきました。

「100年続いてきたのは、昔からのお客様に支えられているからです。見栄えの良さや、インスタのようなSNSで話題になることも大事ですが、これまでのお客様や店が続いてきた過程も大事にしたい」

藤兵衛庵は、長い歴史を経て、新しいことへのチャレンジを繰り返しながら、それぞれの時代に合ったお菓子を今も作り続けています。伝統の京せんべいの味を守りながらも、その時代のお客様に合わせて変化し続けてきたことが、お客様に笑顔を届け、100年続く今の藤兵衛庵となっているのです。

今回ご紹介した企業
株式会社 関製菓本舗 (京都府京都市北区)

大正11年に先代の関藤一さんが、京都市北区の千本鞍馬口にて創業。戦時下には中国の大連に会社を移し、戦後、現在の京都市北区大将軍に移り、今日に至ります。 瓦せんべいをメインに、クリームや豆、手巻きなど様々な京せんべいを販売しています。 嗜好品としてのお菓子ではなく、心を和ませてくれる必需品として、お菓子を通じて、人と人をつなげ、ホッとするような笑顔の時間を提供したいという想いでお菓子作りをしています。

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