株式会社 ワールドコーヒー(京都府)

コーヒーの街・京都から世界へ―「京都北白川コーヒー ドリップコーヒー」

京都市北白川。祇園や銀閣寺にも近く、現在は高級住宅地としてその風雅さを残す街です。また京都ラーメンの有名店や老舗が創業の地に選んだラーメンの街でもあります。

歴史もありながら新しもの好きでもある「北白川」の地名を冠したコーヒーが「株式会社 ワールドコーヒー」の「京都北白川コーヒー」。香り・コク・キレにこだわり、隅々まで京都の気品と文化が体現されたコーヒーです。

「三坪の喫茶店」から世界へ

その長い歴史から、京都はお茶や和食のイメージが強いのではないでしょうか。しかし実は京都市はコーヒーの消費量1位の街(2019年、県庁所在地・政令指定都市中)。パンの消費量も1位で、実は歴史的にもハイカラ好きな街でもあります。

そんな京都市の北白川で、「ワールドコーヒー」は1961年に「3坪の喫茶店」からスタートしました。6人のお客さんでいっぱいになるお店だったといいます。そして、今や3か所の営業所と5つの直営店を構えるまでになりました。世界中の生産農家と信頼関係を築きながら自社商品を開発し、京都を中心に大手スーパーにも卸しています。

創業60年を目前にしたころ、創業地「北白川」を冠したブランドを改めて立ち上げます。京都の地に根付いた企業としての原点回帰と、コーヒーの街・京都から世界に美味しいコーヒーをお届けすること。それを目的として、「北白川コーヒー」は誕生したのです。ドリップタイプのヨーロピアンブレンドのほか、3種類のブレンドレギュラーコーヒーが発売されました。

手軽さとこだわりの両方を実現したコーヒー

近年、手軽においしいコーヒーを飲みたいという声が高まっています。その声に応えるべく、本格的なレギュラーコーヒーを楽しめるドリップタイプをラインアップに加えました。

ドリップコーヒーには「カップインタイプ」と「カップオンタイプ」があります。カップインタイプはパックを浸して抽出するタイプ。濃く抽出しやすいといったメリットもありますが、どうしても雑味が出てしまいます。カップオンタイプはレギュラーコーヒーのようにパックを浸さず抽出するタイプ。コストがかかりますが、雑味のないすっきりとした味わいになります。

「敢えてカップオンタイプにしました」同社の坂本さんは言います。「北白川コーヒー」というブランドを立ち上げるにあたり、商品は自社のこだわりを体現していなければいけない。ワールドコーヒーでは、どの商品も飲みやすさ・キレにこだわっています。そのために、コストよりも味を優先したそうです。

そしてそのこだわりに呼応する人が増えています。「カップオンタイプだからこそ買った」という声もいただくそうです。

自分用はもちろん、ギフトとしても利用してくれる方も多いといいます。仏事用にも、お茶の代わりとして重宝されているのだそうです。京都は全国的に名の知れた銘茶の産地です。それこそお茶を贈るものと思いがちですが、コーヒーを贈るとは粋ですよね。

隅々まで行き届いたこだわり

北白川コーヒーの商品化に当たっては、「香り・コク・キレ」の3点にはかなりこだわったといいます。「月並みなこだわりなんですが」と坂本さんは笑いますが、本当に大切な基本中の基本・美味しさの本質に忠実だという真摯な姿勢の現れです。

すべての商品に一貫してとくに追求しているのが「キレ」。すっきりとした後口の飲みやすさは広く評価されているそうです。キレの実現にはカップオンタイプのドリップ方式が一役買っています。

コクについては、豆選びと焙煎・配合で表現しているそう。最初から最後までバランスがよく適度な厚みのあるペルーをベースにブレンド。「ヨーロピアンブレンド」の名前の通り、気品のある重厚な香りと味わいを実現しました。

香りは、焙煎・配合のほか鮮度にこだわることで実現。焙煎からドリップ化まではなるべく早くするよう管理しているといいます。製造ありきでなくオーダーありきの出荷で、鮮度管理の厳格さは取引先に驚かれることもあるほどだそうです。

商品の完成までには試行錯誤を繰り返しました。製造担当との議論を重ね、抽出直後だけでなく抽出から時間をおいて味の変化も確認。時間が経っても味の変化が少なくなるよう試作を何度も行ったそうです。

レギュラータイプとドリップタイプとでは、抽出するときの条件や方法が違います。それに合わせて、ドリップタイプでは短時間の抽出でも同じ味となるよう焙煎と配合を変えるほどのこだわりぶり。隅々まで意識を行き渡らせて試作を続けたといいます。

そうしてついに香り・コク・キレの3拍子そろったブレンドを実現。透明度が高いのでちょっと薄そうに見えるのに、飲んでみると重厚なコクと芳醇な香りが広がります。見た目と味にちょっとギャップを感じるコーヒーです。

坂本さんは話します。

「京料理は薄味と言いますが、食べてみると薄いわけではないんですよね。いい意味で見た目を裏切るというのは、京料理と共通すると思っているんです」

こんなところまでも「京都のコーヒー」らしさを体現するという意図があったのでした

京都からコーヒー文化を世界に

ドリップタイプで手軽に本格的なコーヒーに親しんだら、ぜひレギュラーコーヒーを楽しんでほしいと坂本さんは話します。

「他社さんの商品でもいいんです。コーヒーを点(た)てる楽しさを知ってほしいと思います。コーヒーを点てているときは気持ちも落ち着くんですよね。そういう時間の過ごし方を楽しんでいただけるようになると嬉しいです」

コーヒーが苦手だという人もまだいます。まずはドリップコーヒーでコーヒーを好きになってほしい。そして最終的には、レギュラーコーヒーの楽しみを知ってほしい。そういいます。コーヒーはただ飲むだけのものではなく、その前から・準備するところから始まるもので、それがコーヒーの文化だということです。

確かに、コーヒーって不思議なものだと思いませんか?果物の実ではなく種の方をなぜ使おうとしたのか。そしてなぜわざわざ乾かす・砕くという手間をかけてまで使うのか。ある意味でまわりくどいというか、果物を食に使う方法としては唯一無二ではないでしょうか。

もちろん長い時間をかけて、焙煎してドリップするという方法に行きついたわけなのですが、このように人が手をかけて作り上げることこそが文化というものなのでしょう。人間の知恵や工夫の結晶がコーヒーの文化なのだと。

ワールドコーヒーは、人が作り上げてきたコーヒーの文化を広く伝えたい、そういう志をもって事業を展開されていることが伝わってきました。

そして細かいことですが、「コーヒーを点てる」という坂本さんの言い回しが「お茶を点てる」のようで、京都のコーヒー文化が垣間見えたような気がしました。京都に暮らす方々の間にしっかり根付いたコーヒーの文化。ぜひ、たおやかで温かな京都のコーヒー文化に触れてみてください。

今回ご紹介した企業
株式会社 ワールドコーヒー(京都府京都市右京区 )

1961年、京都市左京区北白川にて「三坪の喫茶店」として開店。当時はカウンターのみの店舗で、地元客やタクシードライバーさんが休憩に多く立ち寄るお店でした。近所の要望から焙煎豆の配達をスタート、業務用卸売へ。現在京都市内に直営店舗5店、滋賀・大阪・名古屋にある3つの営業所にて営業中。原点を忘れることなく、お客様に喜んでもらえるコーヒーを提供しています。環境問題にも取り組み、供給されている電力は再生エネルギー100%、さらにはCO2排出係数ゼロを目指しています。

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